※この記事は2026年5月時点で確認したGoogle Play / Apple App Storeの公式情報をもとに整理しています。制度や表示内容は変更される可能性があるため、実際に申請・公開する前には必ず各ストアの最新案内を確認してください。

- Google Play / App Storeにアプリを公開すると、個人情報はどこまで表示されるのか?
- この記事で使う用語の整理
- Google Playで個人アカウントを使う場合に表示されやすい情報
- Apple App Storeで個人アカウントを使う場合に表示されやすい情報
- 完全無料・広告なし・課金なしなら安全なのか?
- Google側で特にわかりにくい「支払いプロフィール」と収益化IDの考え方
- 個人情報の公開をできるだけ抑えたい場合の判断フロー
- 組織アカウントにすれば個人情報は完全に隠せるのか?
- Google Playで個人アカウントから組織アカウントへ切り替える方法
- Apple App Storeで個人アカウントから組織アカウントへ切り替える方法
- 公開前に準備しておくとよい情報
- 個人開発者向けの現実的なおすすめ方針
- まとめ
- 参考:公式情報
Google Play / App Storeにアプリを公開すると、個人情報はどこまで表示されるのか?
個人開発者がアプリを公開するときに不安になりやすいのが、法的氏名(本名)・住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報がストア上に表示されるのかという点です。
特に、個人でゲームや便利アプリを作っている場合、「アプリは公開したいけれど、自宅住所や個人電話番号が出るのは避けたい」と考える人は多いと思います。
結論から言うと、Google PlayとApple App Storeでは、公開されやすい情報や注意点がかなり異なります。
| ストア | 個人アカウントで特に注意する点 | 収益化時の注意点 | 組織アカウント化の考え方 |
|---|---|---|---|
| Google Play | 開発者名、法的氏名(本名)、国、開発者メールなどが表示対象 | 広告・有料・アプリ内課金などの収益化では、住所公開リスクが高くなる | 既存個人アカウントを組織化する方法と、新規組織アカウントを作る方法がある |
| Apple App Store | 個人登録では販売元名として法的氏名(本名)が表示される | EU配信でtrader扱いになると、住所・電話番号・メールが表示対象になりやすい | Appleへ変更申請は可能。ただし個人事業主・一人事業は個人登録が原則とされている |
この記事で使う用語の整理
この記事では、似た言葉が混ざって読みにくくならないように、次の意味で使い分けます。
| 用語 | 意味 | この記事での使い方 |
|---|---|---|
| 開発者名 | ストア上に表示される開発者・販売元の表示名 | 主にGoogle PlayのDeveloper nameの説明で使う |
| 法的氏名 | 本人確認書類などに基づく正式な氏名 | 公式情報に近い正確な説明で使う |
| 本名 | 読者向けに「法的氏名」をわかりやすく言い換えた表現 | 初出や注意喚起では「法的氏名(本名)」と併記する |
以降では、正確さを優先して、個人名が表示される箇所は基本的に法的氏名(本名)と表記します。
Google Playで個人アカウントを使う場合に表示されやすい情報
Google Playの個人アカウントでは、通常、以下のような情報が表示対象になります。
- 開発者名
- 法的氏名(本名)
- 国または地域
- 開発者メールアドレス
開発者名は、Google Play上でユーザーに表示される開発者の表示名です。一方、法的氏名(本名)は、本人確認書類などに基づく正式な氏名です。個人アカウントでは、この2つを分けて考える必要があります。
完全無料・広告なし・アプリ内課金なしのアプリであれば、比較的公開情報は少なめに抑えやすいです。ただし、個人アカウントでは、開発者名とは別に法的氏名(本名)が表示対象になる点には注意が必要です。
一方で、広告あり、アプリ内課金あり、有料アプリなど、アプリで収益化する場合は、登録住所などの公開リスクが高くなります。個人の自宅住所を出したくない場合は、事前に公開して問題ない住所や、組織アカウントの利用を検討した方が安全です。
Apple App Storeで個人アカウントを使う場合に表示されやすい情報
Apple App Storeで個人としてApple Developer Programに登録した場合、特に注意したいのは、販売元名として個人の法的氏名(本名)が表示される点です。
Google Playでは「無料・広告なし・課金なし」であれば比較的公開情報を抑えやすい一方、Appleの場合は、個人登録である限り、販売元名として法的氏名(本名)が表示される点を避けにくいです。
また、EU向けにアプリを配信する場合は、Digital Services Act対応として、traderに該当するかどうかも確認が必要です。
traderとは?
traderとは、簡単に言うと、消費者向けに商業活動を行う事業者のことです。
Apple App Storeでは、EU向けに配信し、広告、有料販売、アプリ内課金などで商業活動を行っている場合、traderに該当する可能性があります。trader扱いになると、App Storeの商品ページ上に、住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報が表示対象になりやすくなります。

完全無料・広告なし・課金なしなら安全なのか?
「完全無料・広告なし・アプリ内課金なし」であれば、収益化しているアプリよりは公開情報を抑えやすくなります。
ただし、これは個人情報がまったく表示されないという意味ではありません。
| 条件 | Google Play | Apple App Store |
|---|---|---|
| 完全無料・広告なし・課金なし | 比較的公開情報は少なめ。ただし法的氏名(本名)や開発者メールなどは表示対象 | 個人登録では販売元名として法的氏名(本名)が表示される点に注意 |
| 広告あり | 収益化扱いとして、住所公開リスクを考えるべき | EU配信ではtrader判断に注意 |
| 有料アプリ | 収益化扱いとして、住所公開リスクを考えるべき | EU配信ではtrader判断に注意 |
| アプリ内課金あり | 収益化扱いとして、住所公開リスクを考えるべき | EU配信ではtrader判断に注意 |
Google側で特にわかりにくい「支払いプロフィール」と収益化IDの考え方
Google Playで個人アカウントを組織アカウントへ変更する話になると、Googleアカウント、Google Playデベロッパーアカウント、支払いプロフィール、AdSense、AdMob、Google広告、Google Cloudなどの関係が混ざって見えやすくなります。
ここで特に重要なのは、Googleの収益化や課金の基盤は、多くの場合支払いプロフィールに紐づくという点です。支払いプロフィールには、国、税務情報、個人または組織の区分、支払い先情報などが関係します。
そのため、既存の個人アカウントを組織化する場合でも、単純に「名前だけを組織名に変える」というより、組織用の支払い情報を新しく用意し、Google Play Console側で確認・連携していくという理解の方が安全です。
また、必要に応じて、個人アカウントとは別に組織用のGoogle Playデベロッパーアカウントを作成し、既存アプリを移管する方法も候補になります。

この図を見るときのポイントは次の通りです。
- Googleアカウントは、Gmailなどを含む親IDのような位置づけになる
- Google Playデベロッパーアカウントは、Googleアカウントに紐づくサービスの一つとして考えると理解しやすい
- 支払いプロフィールは、収益化・課金・税務設定に関係する重要な登録情報になる
- AdSenseやAdMobは、広告収益や広告IDの管理と関係する
- 支払いプロフィールやAdSense IDなど、一部の情報は国や税務設定に強く依存し、あとから変更しにくい場合がある
この記事で扱う「個人アカウントを組織アカウントへ変更する」という話では、特に支払いプロフィールの扱いが重要になります。既存の個人用支払いプロフィールをそのまま組織用に書き換えるというより、公式案内に従って、組織用の支払いプロフィールを作成・確認し、開発者アカウントに割り当てる流れとして理解すると混乱しにくいです。
ただし、Googleアカウント周辺の仕様はサービスごとに細かく異なります。Google Play、AdSense、AdMob、Google Cloud、YouTubeなどを横断して運用している場合は、アプリ公開前に、どのGoogleアカウント・どの支払いプロフィール・どの広告アカウントを使うかを整理しておくことをおすすめします。
個人情報の公開をできるだけ抑えたい場合の判断フロー
個人開発者が公開情報を抑えたい場合は、まず次の順番で考えると整理しやすいです。
- 法的氏名(本名)表示を避けたいか確認する
- 広告・有料販売・アプリ内課金を使うか確認する
- EUに配信するか確認する
- 組織として運営できるか確認する
- 公開してよい住所・メール・電話番号を準備できるか確認する

組織アカウントにすれば個人情報は完全に隠せるのか?
組織アカウントにすると、個人名の代わりに組織名を表示できる可能性があります。しかし、個人情報を完全に隠せる方法ではありません。
組織アカウントでは、個人情報の代わりに、組織の情報が公開対象になります。
- 組織の法的名称
- 組織の住所
- 組織の連絡先メールアドレス
- 組織の電話番号
- 組織Webサイト
- D-U-N-S番号
つまり、組織アカウント化は、「個人情報を完全に隠す方法」ではなく、「個人の代わりに組織情報を公開する方法」と考えるのが正確です。
Google Playで個人アカウントから組織アカウントへ切り替える方法
Google Playの場合、個人アカウントから組織アカウントにする方法は、大きく2つに分けて考えるとわかりやすいです。
方法A:既存の個人アカウントを組織化する
Googleの公式案内では、個人開発者アカウントを組織アカウントへ変更するフローが案内されています。この場合、既存の個人アカウントに対して、組織用の支払いプロフィールを新しく作成・確認し、Play Consoleの開発者アカウント側に連携する流れになります。
ここで注意したいのは、既存の個人用支払いプロフィールそのものを、組織用に直接書き換えるという意味ではないことです。Google Play Console上の案内に従って、組織用の支払いプロフィールを作成・確認して進める形になります。
方法B:新しく組織アカウントを作成し、必要に応じてアプリを移行する
もう1つの方法は、個人アカウントとは別に組織用の開発者アカウントを作成し、必要に応じて既存アプリをそちらへ移管する方法です。
この方法は、個人アカウントと組織アカウントを明確に分けたい場合や、既存アカウントの情報を大きく変更したくない場合に候補になります。
Google Play側の注意点
- 既存アカウントを組織化する方法と、新しく組織アカウントを作る方法がある
- 「支払いプロフィール」は、支払い・税務・収益化に関係する登録情報のこと
- 迷う場合は、新規組織アカウント作成+アプリ移行も候補になる
- 組織アカウントから個人アカウントへの変更は、現時点では非対応とされている
- AdSense、AdMob、Google広告、Google Cloudなどを使っている場合は、支払いプロフィールや収益IDの関係を事前に確認する
Apple App Storeで個人アカウントから組織アカウントへ切り替える方法
Appleの場合、個人メンバーシップから組織メンバーシップへ変更したい場合は、Apple Developerサポートへ変更リクエストを送る形になります。
一般的な流れは次の通りです。
- 組織化の必要性を確認する
- 法的実体、D-U-N-S番号、組織メール、Webサイトなどを準備する
- 自分が創業者・共同創業者など、申請権限を持つ立場か確認する
- Apple Developerサポートへ変更リクエストを送る
- D-U-N-S番号や事業書類を提出する
- Appleの確認を待つ
- 承認後、組織メンバーシップへ更新される
ただし、Apple公式情報では、個人事業主や一人事業の場合は、原則として個人登録扱いになりやすいとされています。そのため、個人事業主であれば必ず組織アカウントにできるとは考えない方が安全です。

公開前に準備しておくとよい情報
個人情報の公開をできるだけ抑えたい場合、アプリ公開前に次の情報を準備しておくと、あとから慌てにくくなります。
- 公開してよい住所
- 事業用メールアドレス
- 事業用電話番号
- 組織または開発者用Webサイト
- D-U-N-S番号
- プライバシーポリシーページ
- サポート用問い合わせ窓口
特に、住所・電話番号・メールアドレスは、あとから慌てて用意すると、個人情報をそのまま使わざるを得なくなることがあります。アプリを収益化する予定がある場合は、最初から公開用の連絡先を分けておくのがおすすめです。
個人開発者向けの現実的なおすすめ方針
最初に個人開発者が取るべき方針は、アプリの目的によって変わります。
| 目的 | おすすめ方針 |
|---|---|
| まずは無料アプリを公開して実績を作りたい | Google Playで完全無料・広告なし・課金なしから始めると、比較的公開情報を抑えやすい |
| Apple App Storeにも出したい | 個人登録では法的氏名(本名)表示が基本になるため、許容できるか先に判断する |
| 広告や課金を入れたい | 公開用の住所・メール・電話番号を用意し、必要なら組織アカウント化を検討する |
| EUにも配信したい | Apple側ではtrader情報の表示対象になるか確認する |
| 法的氏名(本名)や自宅住所をできるだけ出したくない | 組織アカウント化、公開用住所、事業用連絡先、Webサイト、D-U-N-S番号を準備する |
| Google広告、AdMob、AdSenseも使う予定がある | どのGoogleアカウント・支払いプロフィール・広告IDで運用するか、アプリ公開前に整理する |
まとめ
Google PlayとApple App Storeでは、個人開発者の情報公開に関する考え方が異なります。
- Google Playは、完全無料・広告なし・課金なしなら比較的公開情報を抑えやすい
- ただし、個人アカウントでは開発者名とは別に法的氏名(本名)が表示対象になる
- 収益化すると住所公開リスクが高くなる
- Google側は、Googleアカウント、支払いプロフィール、AdSense、AdMobなどの関係を整理しておくと安全
- Apple App Storeは、個人登録だと販売元名として法的氏名(本名)が表示される
- EU配信でtrader扱いになると、住所・電話番号・メールアドレスが表示対象になりやすい
- 組織アカウント化は、個人情報を完全に隠す方法ではなく、個人の代わりに組織情報を公開する方法
- Google Playでは、既存個人アカウントを組織化する方法と、新規組織アカウントを作成してアプリ移行する方法がある
- Appleでは、個人から組織への変更は申請可能だが、個人事業主・一人事業は個人登録扱いが原則とされている
アプリを公開してから公開情報に気づくと、あとから対応が難しくなる場合があります。特に、収益化やEU配信を予定している場合は、アプリ公開前に、公開用の住所・メール・電話番号・Webサイト・D-U-N-S番号などを整理しておくと安心です。
参考:公式情報
- Google Play Console ヘルプ:Required information to create a Play Console developer account
- Google Play Console ヘルプ:Choose a developer account type
- Google Play Console ヘルプ:Updating developer identity details managed by a Google Payments profile
- Google Play Console ヘルプ:Transfer apps to a different developer account
- Apple Developer Program:Enrollment
- Apple Developer:Updating your account information
- Apple Developer:Program enrollment
- Apple Developer:EU Digital Services Act trader requirements
